この夏休みうちに、ぜひやっておきたいことのひとつ、
それは、2013年に留学した
イタルクックのレッスンレポ。
そう、まだアップデートしていない授業があったのです!
ではさっそく、トスカーナ州の郷土料理とお菓子の続きから。
たった1日で習ったとは思えないほど、膨大です・・・・・(^_^;)
2013年12月10日(火)
Fagioli all’Uccelletto
トマトソースで煮込んだ白インゲン豆のおいしいこと!
そのままモリモリ食べたり、つけあわせにしたり、
食卓に頻繁に登場する典型的なトスカーナ料理。
特にフィレンツェ周辺で食べられるメニューのひとつです。
“小鳥風“というネーミングの由来をシェフに尋ねると、
「salvia(セージ)を使うからだよ。鳥料理によく使うからね。」とのこと。
小鳥が豆をついばむ可愛い様子を想像していた私は、少々がっかり(笑)
トスカーナの人は「
豆食い」と呼ばれるように、
日常的にたくさん召し上がるそうですが、それはすべて塩味。
甘い煮豆は存在しません。
イタリア人に「日本では豆を甘く煮る」と言うと、
かなりの高確率でぎょっとされ、「気持ち悪い」と言われることも。
甘辛どちらも味わえる私はラッキー♪
Acquacotta di Cardi e Porcini
カルディは見た目セロリに似ていますが、生食には向かず、
アクが強く、ほろ苦く、どこか土臭いような味わい。
レッスンではポルチーニは使いませんでしたが、充分においしく
かえってカルディ独特の風味を味わえる仕上がりになっていました。
Petto di Faraona Ripieno
ホロホロ鳥の胸肉の詰め物
ホロホロ鳥はくせもなく、味わい深い美味しいお肉。
淡白な胸肉に野菜などを彩りよく詰め、ジューシーにしあげた一品です。
Piccione arrosto, Polenta Croccante
鳩のロースト、さっくりとしたポレンタを添えて
小ぶりの食用鳩をパーツに分けてロースト。
「
姿焼き」じゃなくて、ほっとしましたよ~(笑)
珍重されるだけあって、やはりなんともいえず美味しいです。
私は魚も大型魚より小さめの方が好きなのですが、
どうやらそれは、鳥や獣肉にもあてはまるようです。
つけあわせのポレンタはこんがり焼いて。
ぱらりとお塩ふって食べると、お酒の肴やオヤツにもいけますよ~♪
Coniglio Cotto a Bassa Temperatura con Crosta di Mandorle
うさぎ肉を真空状態で、70℃という低温で調理することで、
お肉の香り・旨味を閉じ込め、ぱさつかず柔らかさが保たれています。
その後アーモンドをまぶしてオーブンで軽く焼いて仕上げ。
うさぎ・・・・・イタリア人は大好きですよねぇ、
ペットとしてではなく、食物として。
私は今でも、市場で丸ごと吊るされている姿を直視できませんが
味は好き。
うさぎさん、ごめんなさい!
Maialino da Latte Profumato al Fiore di Finocchio Selvatico
ミルクだけを飲んだ乳飲豚を、野生のフェンネルで風味をつけて。
まだ5~6キロしかないような赤ちゃん豚は、
獣臭さのない、やわらかで甘味のあるお肉。
これも真空パックに入れて、70℃で調理します。
この調理法だと、肉の色はほんのりピンク色で、水分も保たれジューシー。
高品質のまま1か月は保存可能で、大人数のバンケット料理にも最適。
さて、ここからはアンティ・パスティをご紹介。
Cannolo di Farina di Ceci con Baccalà Mantecato
ヒヨコ豆の粉で作った生地をクレープのように焼き、
干しだらペーストをのせて、くるりと巻いたカンノーロ風。
シェフのご両親はシチリア出身なのだそう。
なるほど、カンノーロというネーミングに納得。
ヒヨコ豆の粉はイタリアではとても一般的。
スーパーでもお手頃価格で売っています。
シチリアにも生地を薄く伸ばして、からりと揚げた
パネッレという大人気のストリートフードがあります。
そういえば、南フランスのニースで見かけたソッカも、ひよこ豆のクレープ。
ニースはもともとイタリア系の人口が多い土地柄、
オリーブオイルを多用するなど、イタリアに共通する点が多いようですね。
Sformato di Carote
人参のスフォルマート(写真では向かって右側)
とても優しいお味。
味の濃いメインのつけあわせにすると、箸休めになります。
スフォルマートとは、型に入れてオーブンで焼く料理で、
レストランでは小型のセルクルやプリンカップ状のものがよく使われます。
家庭では、そんなめんどくさいことやってられないので、
大きな型にどんと入れて、どんと焼いて、取り分けていただく、
というのが一般的なようでした。
Crostata di Asparagi Cotti e Crudi,
Salsa al Rosso d’Uovo e Brurrata di Vicchio
パスタ・フィッロ(Pasta Fillo)という薄い生地をしき、
季節の野菜を入れて焼いたパイ。
レッスンを受けた12月はアスパラガスの旬ではないので、
玉ねぎときのこで代用。
パスタ・フィッロは、焼き立てはパリパリの食感が楽しめます。
油分がないので低カロリーでヘルシーですが、しけやすいの。
パイでもタルトでも、水分を吸ってしなーっとしたのが好きという
イタリア人は多いので、あまり気にはしないようですが・・・
ここからはデザート&ドルチェ♪
Gelato all’Alloro
ローリエのジェラート。
シチューや肉料理なんかに入れる月桂樹の葉を使ったジェラートです。
ピエモンテ州のレッスンでは、ローズマリーのグラニータがありましたが、
ハーブを使った氷菓はさっぱりとしていて、いいお口直しになります。
Pera ‘Mbriaca nel Chianti, Salsa al Mascarpone e Pinoli Sabbiati
キャンティワインに酔っぱらった洋梨、
マスカルポーネソースと松の実の砂糖がけ
上等のキャンティをどぼどぼお鍋に投入してつくる、洋梨の赤ワイン煮。
なんて贅沢なんでしょう~
芯まで色をつけないので、切り口のコントラストも美しい。
Neccio di Farina di Castagne e Ricotta
栗の粉とリコッタのneccio(ネッチョ)
ネッチョは、栗粉を使ったお菓子全般をさすようですが、
クレープ状に薄く焼いて、なにかを巻いて食べるのが一般的。
レッスンでもリコッタチーズのクリームを巻いてデザートに仕立てました。
ソースには季節の柿を使用。
イタリアでは渋柿を熟して、トロトロになったところを食べます。
複数形は日本語と同じくカキ(cachi)ですが、単数形はカコ(caco)??
Torta della Nonna Anna Maria
アンナ・マリアおばあちゃんのトルタ
家族に伝わる古典的なレシピを再現したもの。
卵の多いバター生地にカスタードクリームをはさんで焼きあげるという
シンプルなお菓子ですが、なんとも美味しい。
代々伝わる家庭の味には、何回食べても飽きない魅力があります。
こちらは
Pane all’Uvetta、ぶどうパンです。
ぶどうパンはぶどうパンでも、甘くないのです。
どちらかというと塩味で、バターがかなり入る、リッチなパン。
レーズンの量も控えめで、お食事のパンとしてもいけるかも。
お食事でいただいたワインも、シェフの地元トスカーナのもの。
この日は、サン・ジミニャーノ産の赤。
そして、モンタルチーノの大手ワイナリー、
カスティリヨン・デル・ボスコの赤。
つくづく贅沢なレッスンでしたねぇ・・・・・
イタルクックはイタリア中部のマルケ州、イエージという小さな町にあった、
スローフードの学校です。
そこでの授業内容は、イタリア各州のシェフが講師となり、
シェフが持ち込んだその土地の食材を使って、
その州の郷土料理やお菓子を教えてもらえるという、
大変ぜいたくなものでした。
残念ながら、私たちを最後に外国からの生徒募集をやめ、
2014年に閉校してしまいましたが、
だからこそ、そこで学んだことを残しておきたかったのです。
自分自身の備忘録としても。
時間をとっていつか・・・と思いながら、
日々のあわただしさに追われ、なかなかできずにおりましたが
ようやく着手!
膨大な写真を整理し、レシピを見直しながら、
約2年前に習った内容を思い出す作業、
それは、想像以上に時間とエネルギーを必要とすること・・・・
でも、がんばる!
さて次は、コロンブスの出身地、
リグーリア州のレッスンを振り返ってみたいと思います。
明日中に整理できるかな~??
今回はいつになく長いブログになりました。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
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